「作業療法士として、今の働き方をずっと続ける自信がない…」
↑こんな悩みをお持ちの作業療法士の方はきっと多いでしょう。
私は、学校を卒業した後に回復期病院に作業療法士として就職しました。
しかし、「思っていた働き方と違う・私がやりたかったのはこういう仕事じゃない…」と感じるようになり「病院で働く作業療法士」というキャリアはあきらめた経験があります。
この職場では無理をして体調を崩してしまったため、
わずか1年で退職するという挫折を味わいました。

病院退職後は「介護分野で働く作業療法士」という働き方に興味を持つようになり、特別養護老人ホーム、高齢者向けデイサービス、訪問看護ステーションなどで勤務しました。
今では自分に合ったセカンドキャリアを見つけられたと感じています。
このブログ記事ではキャリアに悩んでいるPT・OTさん向けに、セカンドキャリアとしての転職先にどのような選択肢があるのか紹介します。
作業療法士や理学療法士が転職で失敗しないための重要ポイントについても解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
この記事の目次
【作業療法士のセカンドキャリア】資格や経験を活かせる転職先は?
主に病院勤務の作業療法士の方向けになりますが、
↓作業療法士のセカンドキャリアとしておすすめの転職先としては、以下のようなものがあります。
- 訪問看護ステーション
- 福祉施設・ デイサービスなど
- リハビリサービス・教育コンテンツ企業
- 自費リハビリ施設
- 福祉用具関連企業
- 自治体の福祉関連部署(公務員)
個人的に一番おすすめなのは1. 訪問看護ステーションですね。
それぞれの転職先の特徴について解説します。
1. 訪問看護ステーション
訪問看護ステーションは、自宅で療養する方のもとへ看護師やリハスタッフが訪問し、医療ケアや生活支援を行う仕事です。
医療法人や社会福祉法人、株式会社が運営する企業に所属して、主に高齢者や病気・障がいのある方を支援するケースが多いです。
↓訪問看護ステーションをおすすめするメリットとしては、以下のようなことがあります。
- 病院勤務より高収入が期待できる
- 自分のペースで働きやすい
- 利用者一人一人とじっくり関わることができる
1. 病院勤務より高収入が期待できる
訪問看護ステーションでは1件ごとの訪問に対して報酬が発生する出来高制やインセンティブ制度が導入されている事業所も多く、働いた分だけ収入に反映されやすいのが特徴です。
経験やスキル次第では、病院勤務時代より年収が100万円以上アップするケースもあります。
2. 自分のペースで働きやすい
訪問看護ステーションはスケジュールの組み立て方や働き方の自由度が比較的高く、勤務時間や訪問件数を自身のライフスタイルに合わせて調整しやすい環境です。
時短勤務や週休3日など柔軟な働き方が可能な事業所もあり、実際子育てや家庭との両立をしながら働いているママさん世代の人もたくさんいらっしゃいます。
3. 利用者一人一人とじっくり関わることができる
利用者の自宅という”生活の場”でリハビリを提供するため、より実践的で本人にとって意味のある支援が可能です。
利用者様の家族と関わる機会も多いので、QOL(生活の質)を高めるリハビリが実現できます。
また、ケアマネージャーや福祉用具の業者の方など他職種で関わる機会がとても多いのも特徴です。
私が関わっていた方で入院後からADLが落ちてしまった方がいらっしゃいました。
以前行っていたデイサービスを再開したいとのことで、移動動作の評価や福祉用具の再検討を行い、なんと介入から1ヶ月でデイサービスに復帰することができました!
多くの方と情報連携するのは大変ですが、スムーズにサービスの向上に繋げられた時は達成感を感じることができます。
1〜3年ほどでも急性期や回復期の病院経験があると雇ってもらいやすいことが多いので、病院経験がある方はおすすめです!
医療や介護の在宅シフトが進む中で在宅リハビリのニーズは年々高まっているので、需要のある業界でもあります。
最初は一人で訪問なんて不安に感じるかもしれませんが…
大丈夫です、案外すぐ慣れます!
2. 福祉施設・ デイサービスなど
老人保健施設、特別養護老人ホーム、デイサービスなどです。
理学療法士・作業療法士は機能訓練指導員として働くことが多いです。
老人保健施設、特別養護老人ホームは利用者さんの家でもありますので、身体機能だけでなく「その人らしい暮らし」を支援する視点が求められます。
利用者様の日常生活に寄り添った、生活期のリハビリを提供したい方にはおすすめです!
また、施設では利用者様が亡くなるまで関わることも少なくありません。
利用者様の生活の一部としてリハ職が関わることで、病院では出来ない濃い関わりやコミュニケーションをとることが出来ます。
施設という特性上、職場の雰囲気も比較的穏やかでのんびり働くことができ、土日休みの事業所も多いので勤務時間も安定していることが多いです。
3. リハビリサービス・教育コンテンツ企業
ほとんどの場合、一般企業の事業の一部といった形になることが多いです。
求人数が少ないのでちょっとレアな職場になりますが、PT・OTの資格や知識を十分に活かしながら働くことができます!
動画や教材の企画・制作、講師業など幅広い業務があり、医療・福祉の業界にいたら学べないようなビジネススキルやITスキルなども同時に学ぶことができます。
私が所属していた職場はベンチャー企業だったため、上記の業務内容に加えて営業や広報などにも携わらせていただく機会がありました。
今までやったことのない業務内容ばかりで大変でしたが、試行錯誤して1件契約が取れた時はとても達成感を感じました!
医療・介護費節減の観点から知識を提供でき、新しい形で貢献できたことがとても新鮮でやりがいや面白さも感じられることができました。
新しい、別の立場から医療・介護に貢献してみたい方はぜひ挑戦してみてください!
4. 自費リハビリ施設
こちらも事業所が少ないので求人数も少なくレアな職場になります。
自費リハビリ施設は保険制度に縛られない自由なプログラム設計が可能で、利用者一人ひとりに寄り添ったオーダーメイドのリハビリが提供できることが特徴です。
評価から施術、計画までを主導できるため、専門性を存分に発揮したい方におすすめです。
リハビリの技術だけでなく接遇力や提案力も求められるため、人柄やトーク力も必要になってきます。
しかし、今後セラピストとしてのキャリアの幅が広がり、ゆくゆくはマネジメントや起業といったキャリアの可能性も広がります。
職場にもよりますが一般的な医療・福祉施設よりも給与水準が高い施設が多く、成果が収入に反映されやすい点も魅力です!
5. 福祉用具関連企業
住環境や移動手段といった生活環境全体に介入できるため、リハビリでの臨床とは異なる形で利用者の自立支援に貢献できます。
営業や開発職など未経験の業務に挑戦することに不安を感じる方も多いですが、丁寧な研修体制を整えている企業も増えています。
給料も病院と比較すると高めの設定です。
仕事内容としては営業や企画など多様な職種に携われるため、臨床以外の分野に挑戦したい方にぴったりです。
福祉機器やICTに興味がある方、発信力や提案力を伸ばしたい方にもおすすめです。
臨床での経験も活きてきますので、PT・OTの視点から職場に貢献できることは大きな強みになります。
PT・OTとしてもキャリアアップが目指せ、在宅分野や地域包括ケアの実践に関心がある方にとって新たなやりがいを見出せる選択肢です。
6. 自治体の福祉関連部署(公務員)
自治体により募集方法が様々ですが、公務員試験が必要な場合もあります。
そうなるとややハードルが高いと感じるかもしれませんが、その分安定した雇用と福利厚生が保障され長期的なキャリア形成が可能な点が魅力的なポイントです!
中には募集要項に「〇〇資格保有者(例:PT・OT)対象」と明記されている場合もあるのでチェックが必要です。
医療・介護現場での臨床経験を活かしながら制度設計や事業企画に関わることで、より大きな視点で住民の生活を支えるやりがいがあります。
医療・介護の現場を超えた挑戦をしたい方はぜひ、気になる自治体の募集要項をチェックしてみてはいかがでしょうか?
近年は自治体が高齢者向けの事業に力を入れているので、業務委託でPT・OTを募集していることもあります。
高齢者向けの運動教室や健康寿命延伸に関するプロジェクト業務などに携わることができます。
気になる方はそちらもチェックしてみてくださいね。
作業療法士が資格と経験を活かせる仕事に転職するコツ(セカンドキャリアの築き方)
病院勤務などで実務経験があるPTやOTがセカンドキャリアを考えて転職活動する場合、
↓以下のような「転職活動のコツ」をおさえておくことが大切です。
- 転職活動はなるべく在職中(退職前)に始めること
- 給料アップには絶対こだわろう
- 求人はPT・OT専門の転職サイトで探すべし
1. 転職活動はなるべく在職中(退職前)に始めること
「今の職場にモヤモヤしているけど、転職活動を始めるタイミングが分からない」
そんな風に悩んでいませんか?
焦って退職してしまう前に、ぜひ知っておいてほしいのが「転職活動は在職中に始めるのが基本」ということです。
今の職場で働きながらだからこそ給与や人間関係、業務内容など「何を変えたいのか」が明確になります。
在職中であれば、収入の不安がなく、気持ちにも余裕を持って活動できますので次の職場を冷静に選ぶことができます。
「辞めてから探せばいい」と思っても、条件に合う求人がすぐに見つかるとは限りません。
焦って妥協すると、また同じ悩みを繰り返してしまうこともあります…。
今の職場で働きながらこっそり情報収集を進めて理想の職場を選びましょう!
2. 給料アップには絶対こだわろう!
私自身、仕事はやりがいが一番、給与は別に気にしない!と考えていました。
声を大にして伝えたいのが、「価値を正しく評価してくれる職場を選んでほしい」ということです。
医療・福祉は絶対に必要な業界であるからこそ、多くの企業が存在します。
その分悲しいことに、いわゆる「ブラックな職場」も多いのです。
特によく聞くのが、サービス残業が当たり前という風土があったり、人手不足が故に有給を取りにくいもしくは取らせてくれないなどです。
収入はモチベーションにも直結しますし、自分の時間や生活を守る手段でもあります。
「なぜ自分の経験にこの給料なのか?」と一度立ち止まり、希望年収から逆算して求人を選ぶ視点が大切です。
3. 求人はPT・OT専門の転職サイトで探すべし
個人的におすすめなのは、PTOT人材バンクなどのPT・OTに特化しているかつ、エージェントがいる転職サイトです。
私は地方から都心への引っ越しもあったために全く土地勘のない中での転職でしたが、エージェントに相談ができることが安心感に直結しました。
離職率などの普通に調べても分からないような裏情報が聞けることがあります。
また、サイトごとに非公開求人を紹介してもらえる可能性があるので、転職までに時間がある方はいくつか登録しておくことをおすすめします!
ジョブメドレーなど、エージェントがいないところを使用する場合は、しっかり条件を確認して見学などに行って自分の目でしっかり判断しましょう!